2024年2月14日水曜日

【憲法学】佐々木惣一「一票の投げどころ」

三 政見は明瞭を要す

 候補者の政見は明瞭を要する。今日では、その一歩として候補者の政党の所属関係を明らかにする事が必要である。この点の関係して、一般に政党というものに反対する等の事情がなければ、候補者の無所属、中立と云うが如きことには、賛成できない。
 
 また、現在の政党が不人気だから、とか、政党の政策を明らかに標榜することを避けたいという理由から、無所属、中立を名乗るものは卑怯である。こういう人物は、自分の都合で、西へ東へと吹かれて行く。政党間の対立において、争奪の目的となるのはこういう議員であり、或る意味では買収という弊害の根源とも言い得る。

 なお中立とは、政党に対するものであって政治主義に対する関係ではない。この場合であっても、政治問題について明瞭なる意見を持たなければならない各個の政治主義に対して無所属とか中立とか云うことはあり得べきものではない

 そして、選挙の際の運動は、言論戦でなければならない。ここでの言論は政見に関するものでなければならないが、目下のところ、候補者の個人的価値についてのものが多い。『政見はとにかく、天下の人物だから、代議士たるに適する』という主張は、耳には入りやすいが、これは立憲主義の立場からは、鬼面人を嚇すようなものである。

 佐々木惣一一票の投げどころ同『立憲非立憲』 所収(2016年、講談社学術文庫)171-174頁。

【文学】ソロー『森の生活下』

   生活保護を受けるのは「沽券にかかわること」と思っている人がいる。一方、「不正な手段で暮らすことは別に沽券にかかわらない」かのような暮らしをする人もいる。後者のほうが、「よほど 不名誉 なはず」である。  貧しさと関連して、われわれは、新しいもののために「あまりあくせくするべ...