第三節 現代行政学
行政を、①「政治から切断した技術過程とみなす」か、②「国家意思の形成過程である政治と密接な関連を有する機能として把握する」か、についての方法論の差違が、現代行政学をもたらす。
(一)技術的行政学
「政治と行政の概念を峻別」。「行政目的に対する価値判断」を考察の対象とせず、「公務」実現のための「行政手段の技術的合理性」を研究対象とする。→「技術的能率」の原理。
*ウィルソン:「『行政は政治の正常な範囲の外に存在し、行政の問題は政治の問題ではない』」。「『行政の領域は、経営の領域である』」。
*他に、ウイロビー、メリアムら。
*ドイツ公法学との類似点。
〔問題点〕
① 行政能率は、「行政目的を形成する政治と密接な関連」性を有する。
② 行政の有効性=「手段の技術的合理化」にくわえ「社会的要請を充足」しなければならない。
(二)機能的行政学
技術的行政学:「行政を政治との切断面において把握」。「手段と方法」。
機能的行政学:行政を政治との「融合面において理解」。「目的と価値」。
特徴として、「行政能率」を「社会的能率」の視野から把握し、「行政の有効性」を、「非定型」の人間関係からも行政を把握し、「政策の決定に参加する」(∵自由裁量、委任立法)行政を考察する。行政責任は「行政に対する内部的責任」の意味をもつものと解され、行政は「伝統的な統治機構の自己修正」をも要請するものとなる。
*グッドナウ、ギューリック、メリアムら。
辻清明『行政学概論』上巻(1966年、東京大学出版会)36-46頁。