タートベスタントは罰すべき程度の違法性を備えた態度の型(可罰的違法類型)
である。
タートベスタントは違法類型
であり、違法判断をする場合必ず何らかの価値判断の尺度に照らして
行われる。そして具体的違法判断は、殺人や、詐欺といった各行為の一つとして違法
なのであり、違法は類型性を持つ。
違法類型と違法性自体との関係如何。M.E.マイヤーは、タートベスタント該当なことと違法性の存在との関係は『あたかも煙と火の関係』
にあり、タートべスタントに該当することは違法性の認識根拠
であるとした。一方メツガーは、タートべスタントを火それ自体
、単なる認識根拠ではなくて、違法性の実在根拠
であるとした。
タートベスタントは裁判官にとって
違法認識の第一段階
であるが、このタートべスタントと違法阻却事由は原則型と例外型の関係にある
。行為が違法なために通常備えるべき要素
(原則)とそれらがあっても違法だといえなくするところの特殊事情
(例外)は類型化されている。複雑な人生はこのような原則・例外の関係なしにはやって行けないのである
。
タートべスタントが違法類型であるとすると、違法要素
は何か。また違法要素と責任要素の区別の標準は何か
。これについてへーグラーは、違法判断を行為を行為者の人格・主観から切離
したザッハリッヒ
なものとし、責任の判断はペルゾェーンリッヒ
なもの、行為を行為者の人格と結びつけ
把握するものとした。違法が客観的であり、責任が主観的であるというのもこれよりほかのことではない
。但し例外として、内心的要素が違法性
、外部的要素が責任に属して各々その構成要素となることがありうる。主観的違法要素の問題がこれである
。
佐伯千仭タートベスタント序論
、同『刑法における違法性の理論』(1974年、有斐閣)123−130頁。