2023年9月17日日曜日

【憲法学】芦部信喜「宮沢憲法学の特質」(2)

  「三 民主主義的憲法学−基本的特質(2)−」

 「1 価値相対主義」

 ラートブルフ、ケルゼン、ラッセルに影響を受ける形で、宮沢憲法学の「民主主義ないし民主制」を基礎づけ、「法の科学と解釈を峻別する方法論に具体化」されたのが「価値相対主義」である。

 「2 民主制の特質」

 宮沢憲法学における民主主義は、「自由主義と不可分」なものであり、相対主義により支えられるもの解される。これと異なり、ケルロイター、スメント、シュミットやライプホルツらは、この不可分性を否定していたが、宮沢はこの不可分性の「否定」を、「民主制に扮装した独裁制」を支持する立場として考え、その「イデオロギー性とその誤謬」を戦前戦後一貫して批判し続けた。更に、ここでの民主主義を支える相対主義は「世界観」として考えられた。

 更に宮沢憲法学においては、相対主義と民主主義の理念が、「憲法学の基本問題に、人権論、平和主義論に、あるいは議会制論」に具体的に展開された。「相対主義的世界観において最高の絶対の価値を認められる『個人の尊厳』」は、憲法の「最も根本的な指導原理」であって「民主主義の基礎」と解された。宮沢の中では、国民主権、個人の尊厳、基本的人権の尊重がセットになっており、個人の尊厳が「社会国家を、平和国家を基礎づける原理である」と解された。

 芦部信喜「宮沢憲法学の特質」、同『憲法制定権力』(1983年、東大出版会)186−190頁。

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